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雑記です

【読了】日本の思想(丸山眞男)

こんにちは。御室戸斎部のsyamu好きです。この度は岩波新書の『日本の思想』を読了したため感想を投下します。

構成

次の4章からなる。

I:日本の思想

II:近代日本の思想と文学

III:思想のあり方について

IV:「である」ことと「する」こと

文章形式

I,IIは論文形式、III,IVは講演体で書かれている。その書き方や内容もあり、I,IIよりもIII,IVの方が読みやすい。

内容大略

I:日本の思想

開国以前からの日本に固有な思想的抱擁性を考察し時代折々の目立った思想を解説している

II:近代日本の思想と文学

思想と文学の関係をテーマに政治と芸術と思想の時代々々の力関係を解説している

III:思想のあり方について

今でもしばしば問題として挙げられる専門性の高いコミュニティの閉鎖的な環境とその理想的なあり方についてを論じ、「タコツボ型」と「ササラ型」との分類で日本の組織一般に見られる傾向を指摘している。

IV:「である」ことと「する」こと

言わずもがな有名な評論である。封建的/状態重視の「である」ことと進歩的/過程重視の「する」ことについてそれぞれの社会的意味を説き、「である」ことと「する」ことが混在している今日においての価値とは何かを述べる。

感想

全編を通して、特にI,II章では顕著だったが、論じている題材そのものが難しい内容であるにもかかわらずそれを解説する著者の言葉も難しいため、大変読むのに時間がかかった。またここで注意したいのは著者の丸山眞男は政治的にかなり進歩的な立場だったことである。要するに左翼みが強い。故に本文中にも少々偏っていると思える意見が出てくるため、全てを鵜呑みにせずしっかり内容を吟味し時には批判的に読み進めることを要される。この際も前述した通り解説している内容が難しいため鵜呑みにすることすらも一定以上の読解力がないと厳しいかもしれない僕自身内容を全て完璧に把握し尽くしているわけではないのでパラパラ読み直しながらノートにまとめている途中。それもある程度かたがついたらブログに投下しようかな。

所感としてはまあ面白かった。かみごたえのある文章はいいですね。もともと僕が思想に興味があるのも理由のうちだろうけどよくまとまっているように思います。読むにあたっては西洋思想(特に合理論→ヘーゲル弁証法マルクス主義の流れというかその西洋の思想的な流れの感じ)を知っておかないとキツいと思われる。著者の政治的イデオロギーに反対賛成はあれども一読する勝ちはあるかなと思います。

おわり

多分土曜あたりには『日本の思想』のI章のまとめの記事が書けると思います